発表会について!

湘南マジシャンズクラブ創設者であり、会長として第1回~第21回までのすべての発表会をプロデュースしてきた、湘南マジシャンズクラブの名誉会長である石山勝治に、アマチュアマジックサークルが行うマジック発表会に関して話を聞きました。

 

私たちは現在、2024526日(日)に行われる第22回発表会に向けて動いています。

 

 石山名誉会長は、「多くの方に発表会に来ていただき、楽しんでいただこう」と考え、いろいろなこだわりを持っていますので、その点についてインタビューした内容を載せています。

今後マジック発表会を行いたいというマジック関係者にも参考になる部分があると思います。

全10回を予定しております。よろしくお願いします。

 

 ※石山さんは2024年1月13日の総会により、名誉会長となりました。インタビュー時期によって呼称が変わっております。

 

  ※※印刷して読みたいというお声を頂きました。ありがとうございます。タイトル後ろの「ダウンロード」をクリックすることで、PDFでダウンロードおよびその後の印刷が可能となります(2024.02.25)。

 


 

 

<第八回 直前集中練習について> (2024.03.17インタビュー)

 

今回は、第八回ということで、5月に行われる「発表会」に向けて、4月から行われる「直前集中練習について」というテーマで話を聞いてみました。 いよいよ発表会(5月26日(日))まで2か月少しとなりました。いままではレギュラー通り、毎月第二、第四土曜日に講師によるマジック講習を受けていましたが、4月からは、講習を取りやめ、すべて発表会に向けた演技練習日とし、さらに平日にも練習日を追加で設けて、よりよい発表会にするための集中練習を始めます。

 

―聞き手:こんばんは。本日は、発表会前の恒例「直前集中練習」を効果的なものにするためのコメントなどをいただけたらと思います。

 

―名誉会長:はい、こんばんは。発表会は5月下旬ですので、もう2か月前ですね。大きく分けると4月にやること、5月にやることにわけることができるんですよ。そして、5月はもう演技の変更はしない。確定した演技の流れを、確定した音楽で、また確定した衣装で繰り返し練習し、講師の先生にもアドバイスを受けながら、細かい動きや視線など、本当にマイナーチェンジしていくことに集中すべき期間なんだよね。その意味では、3月中に演技内容と曲を決め、4月はこれを磨き上げる期間と思って欲しい。はじめは、コマギレでもいいので、演技を講師や会員に見てもらい、どうしたらもっと良くなるかを考えて行く。そして、4月の終わりには、演技を確定して5月を迎えるというタイムスケジュールで過ごして欲しい、ということなんですよ。だから、4月は本番を想定した練習をやるということです。それで、その間に音楽(BGM)の選択、作り上げなども合わせて進めるということなんですよ。

 

―聞き手:わかりました。4月中に本番で行う演技、BGMを確定させ、5月になったら、もうそれだけを行う、という感じですね。そうなると、4月末までのこの1か月半(インタビューは2024年3月17日実施)が勝負ということですね。

 

―名誉会長:そうそう。音楽だけでなく、照明とか、衣装とか、いままで話したことも生かされるといいですね。

 

―聞き手:この期間は、講師の先生から演技指導を受けることになりますが、何かポイントなどはありますか?

 

―名誉会長:うーん。講師の先生は、舞台経験も豊富のため、「こうした方がいいんじゃないか」「ちょっとそれ違うんじゃないか」「意味が伝わらない」とかのアドバイスをくれると思うので、しっかり見てもらうといいね。

 

―聞き手:そうですね。ただ、私の感想としては、講師はあくまでも講師であり、メンバーではないので、言いにくい部分もあるのかなと思います。演技のポイントをいろいろ教えていただけますが、演技内容を大幅に変更するような指導など、いわゆるダメ出しというは、難しいのかなと思いました。ちなみに、石山さんが指揮を執っていた時は、かなり厳しくダメ出しを行っていたという話を聞きましたが。

 

―名誉会長:それはそうなんだな。やはりまあ、講師という立場もあるので、気付いた点やよりよくするアドバイスはたくさんいただけるけど、厳しいダメ出しは、やはりメンバー内でやった方がいいね。その時、講師に相談するのもいい。まあ、メンバー同志で忌憚ない意見をぶつけていかないといけないね。

 

―聞き手:そうですね。講師のアドバイスとメンバー間のアドバイスをうまく出し合って、演技のレベルアップを目指します。

 

―名誉会長:はい、でもそういったことは必要ですよ。ところで、練習日はすでに確定しているのかな。

 

―聞き手:はい、練習会場の都合もありますが、平日も含め練習日を増やしたスケジュールが出来ています。

 

―名誉会長:そうですね。また、必要であれば、増やすことも考えて。繰り返しになりますが、のんびり構えずに、意識を高めて、4月中に演技を確定し、5月はその演技を繰り返し練習。会員間でお互いに演技を見せ合って、よりよくすることに頑張って、発表会を迎えて欲しいですね。 ※次回のインタビューテーマは未定です。

 

(終わり)

 

 

※次回のテーマは未定です。

 

 

 

<<第七回:照明について


 

 

<第七回 照明について> (2024.02.25インタビュー)

 

今回は、第七回ということで、「照明について」というテーマで話を聞いてみました。

 

―聞き手:こんばんは。今回は照明についてお伺いしたいと思います。第一回対談の最後にも、照明のことを少し話してもらいましたが、今回はより詳しく、お考えを聞かせていただければと思います。

 

―名誉会長:はい、こんばんは。マジックショーでの照明といえば、舞台全照明のほかに、部分的に当てるスポットライト、背景を作り出すホリゾントがあるね。ただ、照明について語るとしたら、ホリゾントについてだね。ホリゾントは演者のバックスクリーンに雲の絵を映し出したり、草原を映し出したりして、パフォーマンスをサポートするものなんだ。いろいろフィルターがあるんで、好みの背景を選ぶことができるんだけど。ただ、どれがいいか、どれが自分の演技に合うかは、リハーサルの時に柄や色合わせをして決めることになるね。

 

―聞き手:そうですね。ホリゾントを選ぶ作業は、普段の練習室での練習では確認しようがないものですからね。

 

―名誉会長:うんそうだね。ただ、ホリゾントを使わなくても、後幕をつかったり、カーテン幕でやったりすることもある。バックに関してはこの3つのパターンがあるだね。

 

―聞き手:わかりました。まず、ホリゾントについてですが、ホリゾントを使うというのは、マジック発表会では一般的なのですか?

 

―名誉会長:うーん、私はそう思うんだけど、最近近隣の団体ではホリゾントを使わないところもあるね。もちろん、小さな会場ではホリゾントが備わっていないため、スクリーンの色は手動で変えるのみのところもあるが、たいていのホールはホリゾントがあると思うし、発表会では使っている団体の方が多いと思うね。せっかくホリゾントがあるのに、発表会中ずっと同じ背景、同じものを映している場合もあるけど、それはどうかなと思う。

 

―聞き手:確かに、自分が見たいくつかのマジックサークル団体の発表会には、ホリゾントを使わない団体、演者によらずホリゾントが固定されている団体もありました。自分たちの名称やロゴを取り込んだオリジナルのホリゾントデザインのところもありました。ただ全体的にみると、おそらく湘南マジシャンズクラブは積極的にホリゾントを取り入れている方ではないかと思います。

 

―名誉会長:まあ、使わない理由には、演者の意見というのもあると思うんだけどね、どういう雰囲気で演技をしたいかという。ただ、注意することとして、使えばいいというものでもない。例えば背景を動かすのはマジック発表会ではよくない気がしますね。どうしても人は動く方に視線が行ってしまうので、注意がマジックからそれてしまう。だから基本は動かない方がいいね。さらに、あまりごちゃごちゃしたバックもよくないね。どういうデザインのホリゾントがいいかは、自分の演技と合わせてみないとわからないけど、これはリハーサルの時にしかできないので、その時にしっかりやっておいた方がいいね。「ホリゾントは業者にお任せ」ということもできなくはないけど、同じ使用料を払うのであれば、よりよいショーを作るためにもホリゾントには気を使った方がいいね。

 

―聞き手:ホリゾントは大事なのですね。

 

―名誉会長:ほかにも、前照灯をどう使うかというのもある。そしてスポットライトは必要か、さらにはムービングスポット(演者が動くときに、演者を追いかけて照らすスポットライト)を使うかも考えた方がよい。ただ、ムービングスポットを使う時は、操作する技師が1名追加されるので、3万円ほどかかる。そのため、演者の希望と、発表会の予算との間で調整が必要だね。

 

―聞き手:きちんと選べば、ホリゾントは使った方が良さそうですが、逆に使わない方が良い演技というのはありますか?

 

―名誉会長:ホリゾントを使わずに黒幕(後幕、バック幕。ステージ後ろの白壁を隠す黒い幕)で演技した方がいい場合ももちろんある。例えば、ミリオンカードなどは、バックが黒の前で白いカードを出した方が映えるね。また、シルクマジックの場合は、ホリゾントを強くすると色彩が複雑になって醜くなる場合がある。その場合はホリゾントをシンプルにするか、いっそ黒幕の前で行った方がいいね。あとは、話が少し違うけど、次の演技の準備に時間が必要といった場合は、幕の後ろで準備をしないといけないので、必然的にホリゾントを使わず黒幕の前で演技をすることになる。そう思うと、演者の好みだけでなく、演技内容や出演順序なども相関関係にあるので、いろいろ考えることになるね。

 

―聞き手:そう思うと、リハーサルではいろいろ確認しないといけないですね。

 

―名誉会長:そうだね。毎回、発表会の前日の午後から夜にリハーサルは行うけど、このホリゾントの確認、そしてスポットライトも含めて照明の確認というのは、舞台上でないとできないからね。

 

―聞き手:演技内容、BGMの雰囲気から、ある程度は事前に決めることはできますか?

 

―名誉会長:そうだね。イメージは持っていた方がいい。ただ、頭で考えたのと実際に舞台に立った時ではだいぶ違うので、リハーサルの時に、ホリゾントと演技の雰囲気を確認することはすごく大事なんだね。例えばだね、リンキングリングはキラキラ光るリングの演技なので、バックは黒がいいという人もいるんだけど、きちんとホリゾントを選ぶことにより、演技の雰囲気がさらに良くなる場合もあるからね。

 

―聞き手:なるほど、わかりました。今後、リハーサル時に確認すべきことについて、確認する機会を考えておりますので、詳細はその時にお願いします。本日はありがとうございました。

 

(終わり)

 

 

※次回は「直前集中練習について」とします。発表会に向けて、直前2か月は、通常の定期講習会をやめて、すべて発表会練習に費やすことになります。この期間でどのような練習をするべきかを伺う予定です。

 

 

 

<<第六回:トラブルについて    第八回:直前集中練習について>>


 

 

<第六回 トラブルについて> (2024.02.02インタビュー)

 

今回は、第六回ということで、「トラブルについて」というテーマで話を聞いてみました。

 

(聞き手)こんばんは。今回は発表会中に発生したトラブルについてお伺いしたいと思います。発表会は舞台発表ですから、個人でも、全体でもたくさん練習を重ねればある程度のトラブルは予防したり、対処したりはできますが、20回以上の発表会の中では、全く予想できないトラブルもあったのではないかと思います。そういったことをいくつか教えていただければと思います。

 

(名誉会長)はい、こんばんは。今回はトラブルについてですよね。トラブルは無いようにみんなで準備はするのだが、やはりいくつかあったね。一番のハプニングは、自分たちの発表会ではないんだけど、よそのサークルで舞台の緞帳に火が付いたというのがあったんですよ。マジックショーでは火を使うこともよくあるけど、それが袖側の緞帳についたんだな。

 

(聞き手)それは相当の事故ですよね。それはそのサークルの会員の演技中ですか?

 

(名誉会長)いや、その時は、ゲストマジシャンなんだよね。プロでもそういうことはあるんだよ。メンバーと違って、ゲストマジシャンとは、演技内容についてあまり深く打合せはできないけど、特に火を使うのかどうかはあらかじめ確認しておく必要がある。これは他のサークルの事例だったので、その後の顛末はわからないけど。ただ、うちのサークルでも似たようなことはあったね。

 

(聞き手)それはどのようなアクシデントですか?

 

(名誉会長)フラッシュストリングって知っているかな? ぱぁっと燃える紐なんだけど。通常は、燃え尽きる手前で手を離せば、床に落ちる前に跡形もなく燃え尽きてしまうものだけど、どうやら湿気の関係だと思うけど、その時はなかなか燃え尽きなくてね。床に落ちた後も少しだけど燃え続けていたんだよね。

 

(聞き手)床が燃えたということですか。

 

(名誉会長)いやいや、床に火がついたわけではなく、ちょっと火の欠片(かけら)が床に付いたという程度で、発表会はその後も続けられて、結果無事に終わったよ。ただ、やはり舞台を汚すわけにはいかないし、きちんと報告はしないといけないので、終了後は舞台を徹底的にチェックしてね、被害を確認したんだよね。まあ、結局ゴマ粒のような大きさの焦げ跡が1か所ついただけで終わったけどね。とはいえ、しっかり誤ったよ。私たちは舞台を汚すわけにはいかないので。

 

(聞き手)なるほど、大事に至らなくてよかったですね。また、どんなに小さな焦げ跡でもやはり報告はしっかり行わないといけないですね。

 

(名誉会長)あとは、発表会終了後で、観客はすでに帰ったあとだけど、椅子が焦げがということはあったね。原因はビデオ屋なんだけど、ちょうどその日は、いつもと違う人が来たんだな。おそらく、その人はあまり慣れていなかったのかな、ショーが終わり、片付けを行っている時に、ビデオ用の照明の電球が点灯したまま、ビデオカメラを椅子の上において、どこかにいったんだな。そうすると、その電球はどんどん高温になってしまい、最後は椅子が焦げてしまった。お客さんはもうはけていた後なのでよかったけど、残っていたら大変なことになったね。こちらも会館に誤ったさ。ただ、ちょうど会館に予備の椅子があったので、特に弁償という話にはならなかった。これが火に関しては一番のトラブルかな。まあ、こちらが悪いわけではないけどね。

 

(聞き手)火のトラブル以外はありますか?

 

(名誉会長)ゲストマジシャン用のヘッドセットマイクがないということもあったよ。茅ヶ崎市民文化会館の場合、舞台関連の裏方は会館からの委託業者が行っているのだけどね、その委託業者が言うには、ヘッドセットについては会館から何も聞いていないので、貸し出せないというんだよね。まあ、話がうまく伝わっていなかったようなんだな。ピンマイクなら届を受けているので貸し出せるというけど、ゲストマジシャンもプロだから「ヘッドセットでないとダメ」と言うし、あれは困ったね。

 

(聞き手)それで、どう収めたのですか?

 

(名誉会長)たまたま、文化会館の館長が私の知り合いだったので、「館長を呼んでくれ」ということで、館長に来てもらって、急遽手続きして貸し出してくれることになったよ。やはり、何事においても、確認は大切なんだね。だいたい発表会の1か月前には、文化会館との打ち合わせがあると思うので、その時は細かいところまでしっかり確認することが大事だね。

 

(聞き手)そうですね。わかりました。

 

(名誉会長)あとは、チケットの指定席がダブって発券してしまったとか、ステージで水をこぼしてしまったということはある。これも次は起きないよう、指定席券はしっかり確認するようになっているし、水はこぼれてもいいように防水シートを必ず敷くようにしている。こういった経験をもとに対策をしているので、最近はトラブルなく発表会が出来ていると思っているよ。

 

(聞き手)その通りだと思います。ありがとうございました。

 

(終わり)

 

 

※次回は照明についてとし、演者照明、背景照明などについて話を聞く予定です。

 

<<第五回:衣装について    第七回:照明について>>


 

 

<第五回 衣装について> (2024.01.20インタビュー)

 

今回は、第五回ということで、「衣装について」というテーマで話を聞いてみました。

 

(聞き手)こんばんは。今回は衣装についてお伺いしたいと思います。マジックショーにお いて、前回の音楽と同様に、衣装は大切なものだと思います。マジックショーにおいて大切 なものとして、「1 に衣装、2 に音楽、3、4 がなくて 5 にマジックテクニック」という、少 し自虐的なフレーズがあるくらいです。今回は、衣装に関して、何かお考えはありますか?

 

(名誉会長)はい、こんばんは。衣装は大事なのは確かなんだけど、男性も女性も、あまり にもキラキラしすぎる衣装や、何かのパーティーに行くような派手な恰好でマジックを行う人が他の団体では見かけるんだけど、ちょっとあれはね。まあ、1 に衣装、2 に音楽とは 言うんだけどね。衣装さえ良ければいいということでは決してないんでね。

 

(聞き手)たしかに、すごくキラキラで派手な人はいますね。

 

(名誉会長)また、衣装だけでなく、マジック道具を置くテーブルにも必要以上な飾りを行 う人もいるんですよね。あれはちょっと場を間違えているような感じを受けるね。やはりマジック発表会として見せる以上は、マジックをメインに考えて欲しいね。せっかく一生懸命 練習したマジックを披露するのに、衣装等で自分のマジックを殺してしまうのは非常にもったいないよね。そういった衣装は推奨できないんだよね。

 

(聞き手)確かにそうですね。

 

(名誉会長)例えば、ダブプロダクション(鳩だし)を行うには、燕尾服が必要だと思うん だよね。それはマジックのタネに関する部分もあるけど、それよりもやはりダブプロダクシ ョンマジックのもつ高級感や、白い鳩がでてくる清廉さ、そしてマジックを代表するような演目という意味では、トップマジシャンをイメージできる燕尾服が似合うと思う。もちろん、その人の目指すところにもよるんだけど。まあ、言いたいことは、演技にあった服装が必要ということだね。私もダブプロダクションを行う時は燕尾服だったよ。

 

(聞き手)ダブプロダクションを行うということは、鳩を飼っていたのですか?

 

(名誉会長)ええ、多いときで 30 羽程飼っていたよ。育てるのは結構大変でね。

 

(聞き手)今度、その話も聞きたいです!

 

(名誉会長)そうだね。話を戻すと、衣装はこれでなくてはいけないという決まりはないけど、演技に合った衣装を着てもらいたいということだね。それが一番だね。

 

(聞き手)他には何かありますか?

 

(名誉会長)衣装とは少し話が違うが、先ほど話した、マジックテーブルについてもうひとつ伝えたい。マジックショーで、タネを舞台上のテーブルに仕込んでおくこと場合について。 もちろん、マジックの流れや仕込む物にもよるけど、基本的には衣装に仕込めるものは衣装に仕込んだ方がマジックはスマートに見える。ジャケットやベストを身に着けず、すごくシンプルで見栄えのいい衣装を着ているが、その代わり不自然にテーブルに何度も近づくというのは、ちょっと違うという感じはするよね。あくまでもマジックがメインでいて欲しい。

 

(聞き手)確かに。それでは、衣装を優先したマジックになりますよね。

 

(名誉会長)そうだね。やはり、マジックをより不思議に見せるには、テーブルの陰から何 かをこっそり取り出すのではなく、衣装から取り出す方がいいと思うんだよね。まあ一概に はいえないけどね。大切なことは、衣装が大切とはいえ、マジック披露する上で、より不思 議に見せるような方法、よりお客さんに楽しんでもらう方法を常に考えて欲しい。せっかく 練習したマジックを、より生かす方法を考えてもらいたい。これは衣装だけでなくね。

 

(聞き手)わかりました。マジックに合った衣装、舞台演出ということですね。

 

(名誉会長)そうだね。先ほどのダブプロダクションに燕尾服もそうだけど、カードやロー プマジックに対してはシックな衣装の方が合うことも多いし、食べ物や飲み物をテーマにしたマジックでは、スーツよりも似合う衣装があるだろうし。とにかく自分のマジックを生かす衣装を考えて欲しいね。

 

(聞き手)これは、ボランティアで、マジックを行う時も同じですか?

 

(名誉会長)そうだね。スーツを着るのが一般的だろうが、普段、会社に来て行くようなスーツではなく、マジック専用のドレスアップしたスーツというのはあった方がいいね。もちろん、演技に合った衣装というのが大前提だけどね。

 

(聞き手)よくわかりました。どうもありがとうございました。

 

(終わり)

 

 

※次回は発表会で起きたトラブルについて を予定しています。

 

<<第四回:音楽(BGM)について     第六回:トラブルについて>>


 

 

<第四回 音楽(BGM)について> (2024.01.14インタビュー)

 

今回は、第四回ということで、「音楽(BGM)について」というテーマで話を聞いてみました。

 

(聞き手)こんばんは。今回は演技の 音楽(BGM)についてお伺いしたいと思います。よく、「マジックショーに置いて大事なものは衣装と音楽。それがよければ、マジックのテクニックはなんとかなる」と言ったことも聞かれます。それくらいマジックショーにおいて音楽は大切だと思っています。これに対するこだわりなどありましたら教えてください。

 

(名誉会長)はい、こんばんは。わたしはね、いつも口酸っぱくいっているんだよね。BGMの使い方にもいろいろあって、同じ曲をずっと流しっぱなしで、演技が終わった時にフェードアウトで終わるというやりかたもあるわけよ。ただし、私の理想は、フィギュアスケートの演目と同じように、演技と BGM をシンクロナイズしてもらいたいと思っているんだよね。そのためにはね、まずその人の演技を固めて、毎回一定の時間で演技が終わるようにする練習を早めにして欲しい。やるたびに、演技時間が大幅に変わると言うのはよろしくないね。

 

(聞き手)それは、演技が固まっていないため、毎回、思い付きで演技をしているということですかね?例えばリンキングリングで、リングをつなげる-外すの繰り返し数などが定まっていない、ということですか?

 

(名誉会長)まさにそうだね、演技の手順を早く確立することが必要だね。そして、演技の流れを確立したら、曲とシンクロすることを考えて欲しい。演技に合わせて曲の長さを変えたり、曲に合わせて演技の流れをすこし変えたりする作業が必要だね。どちらにしろ、やはり演技の流れを早く確立するということをして欲しい。これが一番必要なことだね。

 

(聞き手)演技を確立しても、それに合う雰囲気で、さらに音楽の長さもちょうどいいというのはなかなかないですよね。

 

(名誉会長)そうだね。それで、まずは音楽選びについてだけど。音楽は演技を盛り上げる非常に重要なものであることは確かなので、ここは楽しんで選んで欲しい。演技の雰囲気に合って、かつ自分が好きな曲や気に入った曲がいい。気に入らない曲に合わせてマジックしてもつまらないよ。ただし、選んだ曲の長さが、演技にピッタリの長さだったなんていうのは無いんだよな。大体の曲は演技よりも短く、2 分~3 分程で終わってしまうことが多い。そのためもう一回流すとか、リフレイン(終わり付近の繰り返し部分)を長くするなどをして、音楽を作り上げるということも必要だけどね。パソコンで音楽編集はできるし、私もその技術はあるので、頼まれれば編集してあげてもいいですよ。話を戻すと、繰り返しになるけど、早く演技を確立し、それに雰囲気の合う、自分が気に入った曲を探し、その 2 つが合致するように演技の長さや速度を調整する、あるいは曲の長さを編集することが必要だな。

そして、数カ月前からは、演技の練習だけでなく、演技と曲をシンクロナイズさせる練習も行って欲しいと思っているんですよ。

 

(聞き手)でも、曲に合わせるというのは本当に難しいですよね。

 

(名誉会長)それはわかる。失敗して伸びてしまうパターンもあるし、手順を省略してしまう人もいるかもしれない。でも前提として、音楽と演技は同時進行で、演技が終了した時に音楽もフェードアウトではなく、ぴたっと終了。さらに照明もキレイに暗転するといいよね。できる人は、そこまで練習して欲しいと思っているんですよ。

 

(名誉会長)特に曲の終わり付近のリフレイン部分でフェードアウトするのであればまだいいけど、曲の途中あたりでフェードアウトするのはよくないね。あと、曲が終わったらまた初めから流すのも良くない。このやり方だとどうしても音が空白になる時間ができてしまうのでね。昔はダブルデッキを用いて、曲が終わりそうになったら、もう一方で流すということもしたけど、最近はあらかじめ希望する長さに作り上げた曲を、CD にして流すことをして欲しいね。音響側で調整するのではなく、自分で演技を作り込んで欲しい。

 

(聞き手)他に BGM についての注意点はありますか?

 

(名誉会長)曲に効果音をいれるというのもいいよね。例えば、山場で太鼓のドーンというような、注目を集めるような音とか、小鳥のさえずりを加えるとかいうのも面白いよね。そう言ったことも技術がある人が協力してやればいいし、お願いされたら私がやってもいいですよ。

 

(聞き手)ありがとうございます。話は変わりますが、マジックの BGM には歌詞(歌声、ボーカル)が入っていないものを使う人が多いように思います。歌詞(歌声)が入っているものを使うことに対してはどう思いますか?歌詞があるのはダメという人もいたり、英語の歌詞ならいいという考えの人もいたりしますが。

 

(名誉会長)そうよなぁ。オーケストラだけの方がいいということはないと思うんだけど。英語の歌詞でも日本語の歌詞でも、それが演技と合っている曲なのであれば、特に問題はないと思いますよ。

 

(聞き手)そうですか? なんとなく、マジックショーの慣例的なもので、だいたいみなさん歌声の無いものを選んでるように思えるのですが。

 

(名誉会長)演技の内容に合ってさえいれば問題ないし、演技を邪魔しないものであればいいと思いますよ。つまり、ボーカルが入っていても演技と合っていればいいと思います。逆に言えば、オーケストラだけの曲にこだわる必要はないと思いますよ。

 

(聞き手)ありがとうございます。最後に石山さんが好んで使った曲とかはありますか?

 

(名誉会長)そうよなぁ。曲名ではないけど、カードマニピュレーションなどをする時は、枯れ葉がひらひらおちるようなシャンソンを使ったなぁ。それから、湘南マジシャンズクラブの発表会のエンディングに使っている「喜望峰への道」(服部克久)も大好きな曲ですね

 

(聞き手)どうもありがとうございました。

 

(終わり)

 

 

※次回は、「衣装について」とし、マジックショーにあった衣装について聞く予定です。

 

<<第三回:司会者(MC)について     第五回:衣装について>>


 

 

<第三回 司会者(MC)について> (2023.12.22インタビュー)

 

今回は、第三回ということで、「司会者(MC)について」というテーマで話を聞いてみました。

 

聞き手:こんばんは、本日もよろしくお願いします。

 

会長:はい、こんばんは。今回は発表会の司会者(MC)についてですね。

 

聞き手:はい、それでお願いします。湘南マジシャンズクラブは、MCをプロのアナウンサーにお願いしていますね。

 

会長:そうだね。昔は近隣のサークルもプロのアナウンサーを使っていたけど、今はあまりないんじゃないかな。たいていは、サークルのメンバーからしゃべりがうまそうな人がなったりしているね。

 

聞き手:そうですね。中には、そのサークルの講師が担うところも知っています。私は社会人マジックサークルの発表会を見るのが好きで、いろいろなサークルの発表会を見に行くのですが、湘南マジシャンズクラブのMCは非常に聞き取りやすく、楽しくも格式のある印象を受けました。私たちの発表会を見に来ていただいた友人からも「MCがすごく良かったけど、プロの方?めずらしい」と言われましたね。MCにプロのアナウンサーを使うメリットは大きい思いましたが、こうなった経緯や、会長のお考えを教えてください。

 

会長:はい、わかりました。とはいえ、湘南マジシャンズクラブも、初めからプロのアナウンサーにお願いしたわけではないんだよね。まず、第一回目の発表会、平成5年だったかな。この時はクラブの女性会員が司会を行ったんだ。そのあと、会員の娘さんが2~3年やったんだよね、確か。そしてその後は、会員の紹介により、司会者をいろいろあてがっていたんだよな。

 

聞き手:そうなんですか、昔は湘南マジシャンズクラブも、自分達の関係者から司会を出していたのですね。

 

会長:ただね、やはり司会は台本を読めばいいという物ではないんだよね。しかも会員の紹介となると、事前に会ってオーディションをするわけにもいかないからリハーサルまで顔も見たことが無いし、声もわからない。それで実際に合ってみたらその方の個性や雰囲気がマジック発表会にも、クラブの雰囲気にも合わない人だった時もあってね。あれは困ったよ。

 

会長:中には、発表会前日に、「リハーサルと当日の両方、都合が悪くなって参加できません」とドタキャンされたこともあってね。

 

聞き手:それは困りますね。その時はどう対応されたのですか?

 

会長:あわてて代わりの人を探してね。まあ、ちょっとクラブに居た人で、しゃべりができる人を見つけたので、ピンチヒッターをお願いして乗り越えたんだ。聞き手:昔はいろいろなことがあったんですね。会長:こんな感じで、MCには困らせっぱなしだったのでね、こりゃなんとかしないといけないということで考えたんだよ。ちょうど近隣のサークルがプロのアナウンサーにMCを頼んでいたのを知っていたのでね、こっちもだれかお願いできないかと平塚、茅ケ崎、藤沢のFM局などを回って、いろいろ相談したんだよ。

 

聞き手:ここで、プロのアナウンサー探しになったのですね。

 

会長:そこの職員が「探してみる、けど今空いている人がいないんだよな」ということでしばらく連絡がなかったんで、どうしたものかと思ったら、ある日向こうから、「希望に適した人がいます」ということで連絡を受けたんだな。それが○○さん(湘南マジシャンズクラブが長年MCとしてお願いしている人)との出会いだね。会ってみたら、人間性もよく、非常に話も旨い人だったので、それから10年くらいお願いしているんじゃないかな。

 

聞き手:それが始まりですね。会員が司会をしていたり、講師が司会をしているマジック発表会はいくつか知っていますが、プロのアナウンサーが司会をする発表会は私は見たことがなかったです。そして、プロのアナウンサーが司会をすると、高級感というか、格式が上がるというか、雰囲気がだいぶ違いますね。

 

会長:そりゃあそうだよ。ただね、会員が司会をすることのメリットもあって、それは内部事情というか、演者のことや会のことをよく知っているということだよ。会員との関係は、お客さんには伝わるからね。そのため、○○さん(MCを頼んでいる人の名前)にはお願いして、リハーサルはもちろんのこと、それ以外の日にも練習を何度か見に来てもらっている。当日に来て、台本を渡して、さあ、読んでくださいというのはやらない。ただ、○○さん(MCを頼んでいる人の名前)とはもう十年以上の付き合いだし、会員の事もよく知っているから安心して任せられる。昔は俺が台本をすべて書いて渡していたけど、最近は全部を任せても大丈夫だね。

 

聞き手:今後も○○さんにお願いしていくつもりですよね。

 

会長:そうだね。もちろん、マジック発表会であるので、MCも自分たちで行うというのが本来の姿のような気もする。でも、お願いしていくことになるだろうね。

 

聞き手:湘南マジシャンズクラブはプロのアナウンサーをMCにあてがっていますが、初めからそうではなく、いろいろと紆余曲折した中で今のスタイルになったことが判りました。ありがとうございました。

 

(終わり)

 

 

次回は、「音楽(BGM)について」とし、マジックにあった音楽とは、ということを聞く予定です。

 

<<第二回:発表会と大会について     第四回:音楽(BGM)について>>


 

 

<第二回 発表会と大会について> (2023.11.18インタビュー)

 

今回は、第二回ということで、「「発表会」と「大会」について」というテーマで話を聞いてみました。

 

(聞き手)こんばんは。今回は、「「発表会」と「大会」について」ということで、話を伺いたいです。私たちのマジックショーは、発表会という言葉を使っていますが、この「発表会」という言葉にもこだわりがあると聞きましたが。

 

(会長)はい、こんばんは。そうですね。私たちがイベントのタイトルを「第○○会発表会」としているところから、話させてもらいますね。この神奈川県にもマジックサークルはいくつもあってね、年に1回程度マジックイベントを企画している団体も多いんだよね。そのイベントのタイトルはいろいろあるんだけど、大きくわけると

「第○○回マジック発表会」(湘南マジシャンズクラブはこれ)

「第○○回マジックフェスティバル」

「第○○回奇術大会」

の3つになる。

 

(聞き手)あまり気にしていなかったですけど、そういわれてみれば、そうですね。

 

―――註:以下、会長の個人的な考えが多分に含まれています―――

 

(会長)「フェスティバル」や「大会」という名が付くと、ショーを意識しているところがある。ジェネラルマジックといって、一人の演者があれもこれもと雑多なマジックを入れてくることもあるが、それも許されると思う。例えば一人の演者が、まずはロープマジックを見せた後、そのままロープをリングに持ち替えて演技をしてもいい。そのため、一人の時間が8分間とか10分間とかに長くなっても構わない。また、ネタかぶりといって、他の人と同じようなネタを披露することもある。そういった、いわゆるお祭り感覚のショーが「フェスティバル」「大会」だな。もしかしたらコンテストに近い感じかも知れない。コンテストでは、1人が複数のマジックを連続して披露したり、コンテスタント同士でネタがかぶったりしてしまうこともあるが、気にしないだろう。

 

(聞き手)まあ、社会人サークルで、マジックフェスティバルと名前を付けているショーにもよく行きますが、大体の方は、5分程度のマジックで、あまり雑多なものは見かけませんが・・・

 

(会長)まあ、そうかもしれないがね。「フェスティバル」「大会」という名前から受ける私のイメージだけどね。それで、今度は「発表会」だが、「発表会」には練習したマジックをしっかりと見てもらうという目的があると思うんだよね。つまり、しっかり見てもらうためにも、一人があまり長くやってはいけない。そして、一人の持ち時間が5分としたら、その5分の中で1つのマジックをじっくり見せる。ロープマジックならロープマジックを、リングマジックならリングマジックをしっかり披露する。まあ、ようするにだな、メインのマジックが何かをわかるようにする。料理で言えばアラカルトだな。アラカルトはフランス語でいう「一品料理」だ。それぞれの料理ごとに満足してもらい、最後に全体としても満足としてもらう。それとおなじで、ひとつひとつのマジックの奥行をしっかり見せるマジックショーにしたい。

 

(聞き手)なるほど。「発表会」という名前でショーを行う以上、しっかりとしたマジックを見せる必要がありますね。

 

(会長)うん、もちろんそうだね。これはあくまでも、私見であり、私が「発表会」と名付けた理由だよ。他の「発表会」と名付けていないショーを見ても、どの団体だってすごく練習したことが伝わってくるようなショーを見せてくれるのはわかっている。逆もあって、私たちも「発表会」と名付けているものの、堅苦しく、不思議さだけを追求したようなマジックショーを行っているわけではなく、フェスティバル要素もふんだんに含まれたショー構成で行っているよね。

 

(聞き手)確かにそう思います。

 

(会長)そうだね。私たちの発表会だって、バラエティーに富んだショー構成になっていたが、それぞれがアラカルトとしても光るように、一人ひとり意識をもって練習したことが伝わるようにしたい。そういう意味で言えば、2024526日(日)に行う「第22回発表会」も「発表会」ということを意識した上で、演目やルーティーンを決めるといいと思うんでね。まず、やりたいことを選んだら、講師やメンバーと相談しながら決めていくといいんでね。

 

(聞き手)ありがとうございます。会長のこだわりが聞けて良かったです。

 

(終わり)

 

 

次回は、「MCについて」とし、MCをプロの方にお願いしている背景などを聞く予定です。

 

<<第一回:半年前の今、やるべきこと     第三回:司会者(MC)について>>


 

 

<第一回 半年前の今、やるべきこと> (2023.11.04インタビュー)

 

今回は、第一回ということで、「半年前の今、やるべきこと」というテーマで話を聞いてみました。

 

―(聞き手)こんばんは。「アマチュアマジックサークルの発表会に関して」ということで、話をきかせていただければと思いますので、よろしくお願いします。今回は第一回ということで、私たちにとっての大舞台である、第22回発表会まであと半年(インタビューは2023年11月4日実施)となった今、まずは何をすれば良いか教えてください。

 

―(会長)はい、こんばんは。確かに発表会まで約半年ということで、そろそろ準備を開始しないといけないね。あ、もう準備を始めている、それはいいことです。さて、準備といっても、日程と会場確保はすでにできているということで、そこの話は省略して、その次ということだな。

 

―(聞き手)そうですね。2024年5月26日(日)に茅ヶ崎市民文化会館で実施するということは確定しておりますので、会場確保以外についてよろしくお願いします。

 

―(会長)日程と会場確保ができているのであれば、やらなければいけないのはどういう発表会にするかを決めることだね。その決める上で重要なことの一つが財源の確認だな。いわゆる開催経費だ。どういう発表会にするかという考えをまとめるとともに、自分たちの財源も確認し、そのバランスを相談して決めることになる。つまり、来年度の発表会にいくら使えるかということを含め、発表会の予算を考え、それと並行してどういう発表会にするかを考え、いまの財源で描く発表会ができるのか、財源が不足する場合は、妥協する部分はあるのか、新たな財源確保はできるのかを考えた方がいいね。

 

―(聞き手)発表会を開催するにあたって、お金がかかる部分といいますと。。。

 

―(会長)うん、まずは、ゲストマジシャンをどうするかだね。茅ヶ崎周辺にマジッククラブはいくつかあるんだけどね、大体はゲストマジシャンを呼んでいるね。湘南マジシャンズクラブは、茅ヶ崎市民文化会館ではなく、集会所で実施した第一回の発表会を除いて、毎回プロのゲストマジシャンを呼んでいるわけだが、それは私の考えとしては、ゲストマジシャンは呼んだ方がいいとは思うね。とはいえ、ゲストマジシャンを呼ばないクラブ、そして発表会も多くあるんでね。呼ばなければいけないという決まりはない。要するにだ、わざわざきていただいたお客さんによろこんで頂けるマジックショーを行うことが一

番大事で、それができれば、それでいいわけだからね。この、ゲストマジシャンをどうするかは、お金だけでなくショーの全体構成にもかかわることだから、早めに考えた方がいいね。

 

―(聞き手)他にはありますか?

 

―(会長)発表会に来てもらったお客さんに楽しんでもらうためにも、講師には通常の講習会とは別に発表会用の演技指導料を払って指導を受ける必要があるんだけど、それにいくら費やせるかを考えることで、いつ頃から講師による特別演技指導を受けるかが決まるんだな。これを考えると、さらに遡っていつ頃までに自分の中で演技を完成さえるべきかがわかり、いつ頃までに演技内容を決めるかが必然的に決まるわけだな。つまり、演目の選定~演技の確立までのスケジュールが決まってくる。

 

―(聞き手)演目というと、リングのマジックとか、ロープマジックとか、そういうことですか?

 

―(会長)いやいや、それらは道具であって、決めるのは演目だよね。「リングマジック」といっても「3本リング」「シンフォニーリング」などいろいろのやり方がある。「ロープマジック」といっても、「三本ロープ」「三色ロープ」「ロープ切り」などたくさんの種類がある。講師に指導を受ける前に、どういう演技をどういう見せ方でやるというのを自分なりに確立する必要がある。もちろん、指導によって内容は磨きあがるわけだけど、「こんな感じのマジックをします」というレベルでは講師も困るのでね。

 

―(聞き手)いま、私たちには、副会長より年内(約5か月前)には全員何をするか決めるように指示がでており、それぞれですでに演目を考えている段階です。このタイミングは早いですか?

 

―(会長)いやいや、早い方がいいんだよね。早めに決めて、早めに練習をして、繰り返し手直しをしていくことが必要なんだよな。そして、2か月前には、手順と曲などがすべて確立し、その後に講師に演技を見てもらい、確かな目で手直ししていくというのがいいんだよね。

 

―(聞き手)わかりました。12月末には各自が演目を確定。その後自分たちで互いの演技を見ながら演技を確定します。他には何かありますか?

 

―(会長)他にお金がかかるといえばステージ効果、特に照明だね。照明については、基本料金のほかにオプションでいろいろな効果が選べるが、私はあまり複雑なことは要らないと思うんだよな。マジックは演技を見てもらうのが一番なので、照明とかバックライトなどにこだわると、一見すると見栄えはいいが、マジックの不思議さを消す場合がある。ムービングスポット(稼働式スポットライト)を用いたり、背景の光に動きを与えたりすると、マジックの目的である不思議さが薄まる場合がある。照明に関しては、シンプルで目立たないものがいい。そんなところかな。

 

―(会長)結論としては、財源をまず確定し、その後にそれをどう割り振るか、通常の活動経費を引き、発表会にいくらかけられるか。そこには、ゲストマジシャンをどうするか、講師への発表会用の指導をどう頼むかなどを考える必要がある。それにより、発表会までの練習をいつから何回お願いするか?それによって演目をいつまでに決めて、いつまで

に演技内容を確立するかが決まってくるからね。

 

―(聞き手)わかりました。ありがとうございます。まずは、クラブとしては財源の確定、そして個人としては演目の確定を急ぐことですね。早速考えてみます。ありがとうございました。

 

(終わり)

 

 

※次回は、「発表会と大会について」として、私たちのショーを「発表会」とした会長のこだわりを聞く予定です。 

 

                    >>第二回:発表会と大会について


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